【抗がん剤の種類】点滴編ー治療当日の流れ・スケジュール

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今まで、抗がん剤=点滴としか思っていなかった人もいるのではないでしょうか。

私は、抗がん剤病棟に務めるまで、内服があるなんて知りませんでした。

抗がん剤治療は、点滴でも内服でも、入院した翌日にスタートするのが一般的です。

 

今回は、入院での抗がん剤治療(点滴編)の流れ・スケジュールを紹介します。

 

1.担当看護師の挨拶から始まる

患者さんのもとへ、本日の抗がん剤を投与する担当看護師が挨拶にくると思います。

病棟によりますが、夜勤看護師からの申し送り前のタイミングであったりするので、軽く挨拶する程度になるかもしれません。

 

2.抗がん剤治療前のシャワー・体拭きの希望を確認する

治療の終わった後は、アレルギー・過敏症が出現するリスクを考えて、抗がん剤治療後のシャワーはできません。

そのため、治療の前にシャワー浴の希望があるか伺います。

参照→抗がん剤治療当日のお風呂・シャワーは入れる?入浴時のポイント・注意点

 

3.朝の主治医の回診により、抗がん剤投与の許可(GO)が出る&点滴ルート確保

抗がん剤治療前に、主治医が回診にきます。

といっても、軽めの回診です。

医師によりますが、会話(「今日から治療です、頑張っていきましょうね」みたいな挨拶)して、特に問題なさそうであれば治療の許可(GO)が出ます。

その時に、「全然診てくれてない」と心配なさらなくても大丈夫です。

事前検査やIC等で患者さんの全身状態を確認済みなわけですから、あくまで治療当日の状態の確認です。

そして、そのGOが出たら、抗がん剤を投与するために、点滴ルートを確保します。

よく採血するひじの内側は、曲げ伸ばしにより点滴の速度が変わってしまったり、点滴がもれたりしないように(参照→【抗がん剤の副作用】血管外漏出-点滴の針先が痛い・腫れる、最悪の場合は皮膚切除も)、よっぽどのことがない限り(何度も点滴していて、もう血管が弱くなってしまって確保できるところがないor上記理由に加え、短時間で済む治療の場合等)、選択しません。

一般的に、前腕(手首~肘までの間の腕)で点滴ルートを確保します。

4.主治医の許可が出たら、抗がん剤を薬局で調合(ミキシング)

抗がん剤というのは、実はオーダーメイドなんです。

身長・体重・病期等は人それぞれなので、その人に適した分量というのも異なります。

入院してから、患者さんの全身状態を確認した上で、薬剤師・抗がん剤に特化した医師(主治医とは異なる)が、主治医がオーダーした抗がん剤の内容や量は適切であるか、チェックしています。

例えば、抗がん剤の量が多いようであれば、主治医に連絡して、なぜこの分量にしたのか確認し、適正な量や種類を提案することがあります。

また、過去の治療で嘔吐(吐き気)が強く出た場合などの、有効な対策などを一緒に考えたりします。

参照→【抗がん剤の副作用】悪心(吐き気)・嘔吐ーー自分でできる対処法を紹介!

そして、抗がん剤投与当日に、主治医のGOが出たら、チェック済の抗がん剤のオーダーを薬局にFAXし、薬剤師が薬局で抗がん剤をミキシング(調合)するのです。

その後、病棟にあがってくる流れです。

 

5.抗がん剤が患者さんに投与されるまで、多くのダブルチェックで間違い予防

FAXしたコピーと一緒に抗がん剤が病棟にあがってきます。

あがってきた時点で受け取る際に、FAXの原本とコピー、現物(点滴バック・前投薬等)に間違いがないか看護師がチェックします。

あってはならないことですが、ミキシングに間違いがあった場合は、ここで発見できます。

次に、抗がん剤のルートをつなぐ前に看護師がダブルチェックします。

そして、患者さんのベッドサイドで、患者さん本人と声出し確認し、抗がん剤の本体ラベルに記載されている情報(投与日、患者さん指名、生年月日等)をダブルチェックします。

抗がん剤治療すると決まってから、患者さんのもとに行くまで、看護師だけでなく、医師や薬剤師などのダブルチェックがたくさん行われているのです。

それくらい、抗がん剤は慎重に扱うべきものなのです。

 

6、投与する看護師は、手袋・ゴーグル・マスク・エプロンの重装備

抗がん剤投与しに、看護師が現れました。

すると、結構重装備なことに気づくと思います。

エプロン、ゴーグル、マスク、手袋、、

「自分はしてないけど、大丈夫?こんなに怖いものなの?」と思うかもしれません。

私たち看護師は、抗がん剤を毎日扱い、1日に一人ではなく、複数の患者さんに投与する場合があります。

抗がん剤には被ばくがあります。

患者さんにとっては1回の抗がん剤でも、看護師にとっては、何十回、何百回目の抗がん剤になります。

点滴をつなぐときに、抗がん剤が飛び跳ねたり(飛び跳ねたりしないようにビニ-ール袋の中でやる等対策しています)、手に付着したりすることがないように、重装備になってしまうのです。

抗がん剤病棟の看護師は、被ばくリスクを少しでも軽くするために、重装備になってしまうのです。

7、いよいよ抗がん剤投与!まずは補液or前投薬を投与

朝一で確保してもらった点滴ルートに、補液か前投薬(抗がん剤の副作用を軽くする薬や、利尿剤などの抗がん剤の前に入れるお薬)の点滴をつなげます。

抗がん剤は、絶対に直接ルート(抗がん剤の点滴バックから体内へ1本だけのルート)はしません。

必ず、側管ルートといった枝分かれした点滴ルートから投与します。

理由は、何か緊急でアレルギーや血管外漏出等が発症した場合、側管ルートであれば、すぐに抗がん剤を中断し、他の点滴や治療薬を投与することができます。

簡単に言うと、何かあったときにすぐに抗がん剤を止めて、他の点滴や薬を投与することができるようにするためです。

 

8、点滴の途中の管(側管ルート)から抗がん剤を投与します

補液は、継続して流したままで抗がん剤を並行して投与する場合と一時的に補液を止める場合とがあります。

補液を継続す理由として、腎臓に負担をかけてしまう副作用のある抗がん剤を投与したときに、尿排泄を促すために継続して補液を流している場合が多いです。

(※患者さんの腫瘍量等によって変わるので、この限りではありません。)

また、混ざってはいけない点滴同士の場合は、抗がん剤前後に生理食塩水で前後フラッシュと言って、点滴ルートをきれいにしてから投与します。

治療内容によっては、前投薬を流し終わったら抗がん剤投与 という場合もあります。

抗がん剤を投与し終わった場合は、いずれにしても、生理食塩水や補液等で、体内にすべて抗がん剤が入るように流します。

抗がん剤は注射タイプもある

抗がん剤の点滴は、点滴タイプだけではなく、側管ルートから注射器でビュッと入れるタイプの物もあります。

この場合は、医師が投与します。医師と看護師が連携し、抗がん剤投与している時間等を伝え、医師がベッドサイドで投与します。

このときも、看護師と医師とでダブルチェックしています。

開始直後は看護師が付き添い、アレルギーと血管外漏出の早期発見に努める

抗がん剤の副作用は嘔吐や脱毛等に注目されがちですが、一番早く出現する可能性があるものは、アレルギー症状と血管外漏出です。

体内に抗がん剤という異物が入るので、アレルギー症状が出現する可能性があります。

参照→【抗がん剤の副作用】アレルギー反応・過敏症ー症状(痒み、蕁麻疹など)投与後24時間は要注意!

また、点滴の刺入部(針先)は血管の中に入っていて、抗がん剤は血液中を流れていくのですが、その血管の外に漏れ出てしまった場合を血管外漏出といいます。

参照→【抗がん剤の副作用】血管外漏出-点滴の針先が痛い・腫れる、最悪の場合は皮膚切除も

これらを早期発見するために、投与後5分間はベッドサイドで付き添い、投与開始15分後、30分後、1時間後、それ以降は20~30分間隔毎に訪室します。

特に最初の5分、15分、30分においては、バイタルサイン(体温、血圧、脈等)チェックも行い、データ的にも異常がないか確認します。

また、点滴の針の刺入部に異常がないか観察します。ちくちくしたり、痛みがないかなど尋ねます。

内面的なことは、患者さん本人しか分からないこともあります。看護師もその都度声をかけ、異常がないか観察していきますが、気になることなどがあれば、我慢せずにすぐに教えてください。

異常があった場合は、遠慮せずにナースコールを押してください。

状況によった対応をするとともに、看護師より医師に伝え、指示をあおぎます。

抗がん剤投与終了後も24時間はアレルギーに注意

抗がん剤投与終了後にバイタルサインをチェックし、特に異常がなければ抗がん剤投与自体は終了です。

抗がん剤投与が終わっても、24時間以内はアレルギー出現の可能性もあるので、何か異常があればすぐにスタッフに知らせてください。

アレルギーは、抗がん剤を投与して早い段階で出現する可能性が高いです。

「24時間以内は危ない!」と抗がん剤終了後もあまりにもアレルギー等を意識しすぎて、びくびくしたりせず、リラックスして過ごしてくださいね^^

抗がん剤の副作用のアレルギーについては、【抗がん剤の副作用】アレルギー反応・過敏症ー症状(痒み、蕁麻疹など)投与後24時間は要注意!で詳しく書いています。

点滴による抗がん剤治療の流れ・スケジュールのまとめ

1.当日朝に担当看護師による挨拶・シャワー浴の希望の有無

2.医師の挨拶・回診により、抗がん剤治療開始の許可がでる

3.抗がん剤を薬局で作成

4.多くのダブルチェックを経て、点滴の途中の管から抗がん剤投与

5.アレルギーや血管外漏出のリスクを考え、看護師が最初は少し付き添う

6.様子を見ながら抗がん剤投与速度を上げる

7.特に異常がなければ終了

 

抗がんい剤は、透明な色のものも多いので、やることはたくさんあって特別な感じがしますが、普通の点滴のように終わることがほとんどです。

「これだけで終わり?」とびっくりされる方もいらっしゃいます。

 

入院生活・抗がん剤治療ともにコミュニケーションが何よりも大切だと感じています。

治療中・治療後で気になることは、遠慮なくいってください。

患者さんの傾向(身体的・精神的)を観察し、次の治療へと繋げていくのに役立ちます。

抗がん剤治療は、1度きりではなく、何クールも継続して効果を期待するものなので、気負いしすぎず、些細なことで一喜一憂せずに長い目でみていきましょう^^

 

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