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【抗がん剤の副作用】悪心(吐き気)・嘔吐ーー自分でできる対処法を紹介!

今回は、抗がん剤の副作用の代名詞である「吐き気」「嘔吐」についてです。

抗がん剤の副作用で、患者さんが心配していることで一番耳にするのが、「吐き気」と「脱毛」です。

これらは、先に述べたアレルギーや血管外漏出に比べて出現する確率も高く、自分自身が辛い、治るまでに時間がかかる、自分自身のイメージ(ボディイメージ)を大きく変えてしまったという理由から、総合的な治療期間の中では一時的なことであっても(脱毛は違います)印象に残り、体験談を伝えるときなどに必然的に述べることになるのだと思います。

抗がん剤の種類や前投薬(事前にそれらを予防するもの)によって、吐き気が出現しないという人もたくさんいます。

吐き気は医療用語では「悪心(おしん)」と言います。

漢字で書くと「悪い心」なんですね。嫌な感じというのが文字からも伝わってきますね。

目次

 ①悪心・嘔吐とは

悪心とは、嘔吐しそうなムカムカする気分で、主観的な感覚である。

嘔吐とは、い内容物が逆流し食堂を通り航空から排出されることである。

悪心・嘔吐が長く続くと脱水、電解質異常、体重減少などを招き闘病意欲の低下や治療の継続困難を引き起こす危険性もあります。

②悪心・嘔吐の種類

急性の悪心・嘔吐・・・化学療法開始後1~2時間で始まり数時間続く。投与後24時間以内で消失する。

遅発性の悪心・嘔吐・・・化学療法開始後24時間~48時間で始まり5日程度続く

予期性の悪心・嘔吐・・・化学療法開始前から出現する。患者の不安や化学療法時の不快な体験を早期することで出現する。

一概に悪心・嘔吐と言っても種類があって、患者さんの心理状況なども大きく影響してきます。

急性の悪心・嘔吐

最近は前投薬としてレジメンの中に制吐剤(吐き気止め)を使用しているので、出現リスクは低いです。

イメージとしては、

看護師「抗がん剤流しますよ~。(1時間後)今流して1時間ですけど気分はどうですか?」

患者さん「うっっ。気持ち悪いです・・・」

みたいな感じです。

こんな風に抗がん剤を流している最中に気持ち悪くなる方は、私の経験上でほとんどいませんでした。

遅発性の悪心・嘔吐

これがほとんどです。大体、抗がん剤を流して次の日、遅い人だと3日目ですね。5日ほどで改善していきます。長く続くイメージがありますが、すっと楽になるときが必ずきます。中にはずっと続く人もいますが、そういう方には制吐剤の定期内服で様子を見ます。

予期性の悪心・嘔吐

抗がん剤に対して不安が強い人に出やすく、2回目の化学療法のときに出現することもあります。ですが私の経験上、多くの患者さんは2回目以降になると「慣れ」と1回目の治療経過を踏まえた対応策もあって、予期性の悪心・嘔吐が出るという方は少なかったです。

化学療法による悪心・嘔吐は延髄(脳の一部)による嘔吐中枢を刺激することで起きるので、船酔いや車酔い(耳の神経から刺激が伝わって悪心・嘔吐が発生する)とは全く異なるプロセスです。

③起こりやすい主な抗がん剤

発現頻度により、高度、中等度、程度、最小の4つに分類することができます。

アルファベットはその抗がん剤が使われるレジメン(抗がん剤のコース)の一例です。

<高度 90%以上>

・シスプラチン・・・CDDP+GEM、CDDP+PEM、CDDP+VNR

・ダカルバジン

・エンドキサン(>1500mg/m3)・・・R-CHOP、CHOP、CHASE、CHASER

・アクチノマイシン

<中等度 30~90%>

・カルボプラチン・・・CBDCA+PEM、CBDCA+GEM、CBDCA+DTX

・エンドキサン(<1500mg/m3)・・・R-CHOP、CHOP、CHASE、CHASER

・キロサイド(>1000mg/m3)・・・CHASE、DNR+AraC

・ドキソルビシ

・イリノテカン・・・CTP-11、CDDP+CPT-11

・イホマイド  など

<低度 10~30%>

・5-FU

・・キロサイド(<1000mg/m3)・・・CHASE、DNR+AraC

・メソトレキセート・・・HD-MTX、MTX

・ベプシド・・・CDDP+VP-16、VP-16

・タキソテール・・・CBDCA+DOC(DTX)、DOC

・ハーセプチン

・アリムタ・・・CDDP+PEM、PEM  など

<最小 10%未満>

・ブレオ

・オンコビン・・・R-CHOP、CHOP

・ナベルビン・・・VNR、CDDP+VNR、

・アバスチン

・リツキサン・・・R-CHOP、CHASER

・エグザール  など

種類により、発現頻度は変わりますが、エンドキサン、キロサイドなどのように、使用する量で発現頻度が変わるものもあります。量が多ければそれほど、悪心・嘔吐の出現リスクは高くなるということです。

化学療法で、抗がん剤の種類が1つの単剤使用よりも多剤併用している場合は高リスクで悪心・嘔吐が出現するので対策が必須です。

④予防、治療

<薬物療法>

・高度の嘔吐リスク(>90%)、中等度嘔吐リスク→化学療法前に5HT3受容体拮抗剤を使用(薬品名で言うカイトリル、アロキシ、ゾフラン、セロトーン、ナゼア)

・低度嘔吐リスク(10~30%)→デカドロン※単剤では効果ないので多剤併用

最小嘔吐リスク(10%未満)→化学療法前に制吐剤をルーチン投与すべきではないので、患者さんの個別性に合わせる。

<水分補給>

嘔吐を繰り返すと、水分が失われるため水分補給を行う。

外来治療中などで、自宅で過ごしているときは、経口補水液の「OS-1」やスポーツドリンクを飲みましょう。氷を入れて冷やして飲むと、口当たりも良く感じ、飲みやすいですよ。

<補液>

嘔吐が頻回食事や水分摂取も不十分な場合、電解質バランスが崩れ脱水や腎機能障害を起こす危険性があるので、点滴(持続点滴や点滴バック1袋分など量を決めて)を行う。

 <食事の工夫>

・その患者さんに合わせた食事のとり方や時間を一緒に考え、食べられるときに食べられる量を少しずつとるようにする。

・温かかったり、病院食の蓋を開けた時の臭いがダメな場合もあるので、蓋を開けて冷ましてから食べる。

・自家食(持ち込み食)を家族に用意してもらう。

・食べやすく消化に良いもの(のど越しが良い麺類、濃い味、常温または冷たいアイスやゼリーなど)を摂る。

・刺激物や脂っこいものは避ける。

⑤私の体験談

抗がん剤治療(化学療法)で出現する悪心・嘔吐のほとんどは遅発性のもので、抗がん剤投与後2~3日後に出現します。

吐き気を我慢する方がよくいらっしゃいますが、我慢は絶対にしなくていいです!!

吐き気止めという薬があるんですから、積極的に使うつもりでいきましょう。

例えば、化学療法1回目であった場合、患者さんに吐き気が出たか出なかったか、その程度はどれくらいだったか、何日続いたか、などのデータは次の治療にとても重要になります。

吐き気が強く出たり、長引いたり、本人の身体的・精神的にも負担だった場合は、次回の治療時に、抗がん剤治療開始から予防的に制吐剤の定期内服を併用していきます。

また、食事や飲水が困難になったときは内服も苦痛になるので、注射タイプの制吐剤を使用したりもします。

急に吐き気が出た時やベッドサイドで吐いても大丈夫なように、ガーグルベースンといううがい用の桶も枕元に置いて備えます。

冒頭で、吐き気が出ない人もいると書きましたが、高度~中度であれば、初回の化学療法時に程度の差はあれど、大体の人が出現すると思ってもらった方がいいです。

その要因の一つに、初めての治療という不安や緊張などの精神的側面からくるものも少なからず関与しています。

だから、簡単にはいけないかもしれないけど、リラックスすることも大切です。

⑥自分でできる対処法

・身体を締め付けない、ゆったりとした服装にする。

パジャマに着替えたり、胸元のボタンを開けたりするだけでも違います。

・臭いに敏感になっているので、マスクをする。

・水分は、経口補水液「OS-1」やスポーツドリンクを摂取

・やれる範囲で、口の中や胃を冷やすこと!これで少し楽になります。

これは抗がん剤の副作用に関係なく、悪心・嘔吐が出現しているときに使えます。
私も気持ち悪くなったときに自分でやったりしています。

具体的な方法としては、

(1)氷水を少し飲む。できるだけ、口の中にいきわたらせる感じです。

(2)胃をアイスノンで冷やす。私は、小さなアイスノン(ケーキ屋さんでもらえるものでも可ですが、私は固くならないやつを使っています)をハンカチとかで巻いて胸の下に当てています。

私は気持ち悪くて寝れないとき、(1)氷水をちびちび飲む→(2)アイスノンを胃に当てて横になって寝る でやり過ごしています。

入院中は看護師に声を掛ければいいですが、外来治療中などであれば自宅でもできます。一度試してみてください^^

⑦家族にできること

・家族や親しい人に、手や背中をさすってもらう

人のぬくもりと、心の安心感が得られます。

患者さん本人が苦しんでいるのを見られたくなくて、席を外してほしいという場合は、そのようにしてあげてください。特にそういうこともなくて可能であれば、さすってあげてください。

・できる範囲での食事の協力

病院食って、薄味でおいしくない とも言われていますが、抗がん剤の副作用によって、悪心(吐き気)・嘔吐が出現するだけでなく、味覚の感覚が変わってしまうこともあります。(味覚障害)

遅発性の悪心・嘔吐の段階では味覚障害は出現していませんが、病院食の味=慣れた味ではないので、患者さんの好きな味、慣れた味なら食べられることがあります。

この段階であれば、特に食材の制限はないです。※糖尿病など他疾患で制限されている場合を除きます。

だから、患者さんがすきだったものを作ってあげてください。もしかしたら、患者さんが好きだったものを作ってきても、以前のように好んで食べれないかもしれない。

だけど、家族が自分のために作ってきてくれたということは、患者さんにも、家族が協力して治療にのぞんでいる姿勢が伝わります。

そういった協力が、患者さんを励まし、リラックスに繋がっていきます。

私の過去の経験ですが、悪心が出現している患者さんが食べれていたものを挙げておきます。

そば・うどん・とろろ・みかん・カップラーメン・ゼリー・アイス・豆腐・インスタント味噌汁

やたら多かったのは、コンビニで売っているとろろうどんやとろろそば!

3次救急の総合病院クラスだと病院内にコンビニが入っていることがありますよね。そういうコンビニを利用して、食べたいときに食べたいものを買えばいいんです。

「家族の方は、患者さんの好きなものを作ってあげてね」 と言いましたが、食事を作らなきゃ!と義務感を抱かなくてもいいです。もしかしたら、いつもの味も口に合わないことだってあります。

コンビニやインスタント食品もうまく使いましょう。

食べれるものを探しながら過ごすことになるので、インスタント味噌汁やカップラーメンなどを1,2個準備しておくといいかもしれませんね^^

最後に

抗がん剤の副作用の中で、第一に挙がる「吐き気」。

私がお伝えしたいことは、辛いけど必らず治るから、少しの間は工夫してやり過ごそう!ということです。

食べたいものを食べたいときに少しだけ食べる!

口の中や胃を冷やしてみる!

我慢は禁物!

ですよ!^^

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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