【抗がん剤の副作用】悪心(吐き気)・嘔吐ー治療後数日で軽快すること多数&よくある症状

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抗がん剤の副作用で、患者さんが心配していることで一番耳にするのが、「吐き気」と「脱毛」です。

「吐き気」と「脱毛」は、抗がん剤の副作用:アレルギー抗がん剤の副作用:血管外漏出と比べて出現する確率も高いです。

また、出現している間は辛い、治るまでに時間がかかる、自分自身のイメージ(ボディイメージ)を大きく変えてしまったという理由から、総合的な治療期間の中では一時的なことであっても(脱毛は違います)印象に残り、体験談を伝えるときなどに必然的に述べることになるのだと思います。

抗がん剤の種類や前投薬(事前に副作用を予防・軽くするもの)によって、吐き気が出現しないという人もたくさんいます。

 吐き気・嘔吐は、すべての人に起こるとは限らない

吐き気は医療用語では「悪心(おしん)」と言います。

漢字で書くと「悪い心」なんですね。嫌な感じというのが文字からも伝わってきますね。

悪心(吐き気)とは、嘔吐しそうなムカムカする気分で、主観的な感覚です。

嘔吐とは、胃の内容物が逆流し食堂を通り口から排出されることです。

吐き気は主観的な感覚なので、眼には見えません。だから、吐き気を感じたら、看護師や医師に言いましょう。

また、吐いてしまったら、遠慮なくナースコールをしましょう。

「汚いものだし、人に処理してもらうのは悪いわ・・・」と感じなくても大丈夫です!

それをお手伝いさせてもらうのが看護師の仕事です^^

 

悪心・嘔吐が長く続くと脱水、電解質異常(体内(血液)のバランス)、体重減少などを招き闘病意欲の低下や治療の継続困難を引き起こす危険性もあります。

吐き気が起こる可能性の多くは、使用する抗がん剤の種類が吐き気を起こしやすいかどうかによります。

吐き気・嘔吐の種類は3種類。一番多いのは治療後数日間続く遅発性の吐き気

急性の悪心・嘔吐・・・化学療法開始後1~2時間で始まり数時間続く。投与後24時間以内で消失する。

遅発性の悪心・嘔吐・・・化学療法開始後24時間~48時間で始まり5日程度続く

予期性の悪心・嘔吐・・・化学療法開始前から出現する。患者の不安や化学療法時の不快な体験を早期することで出現する。

一概に悪心・嘔吐と言っても種類があって、患者さんの心理状況なども大きく影響してきます。

急性の悪心・嘔吐

最近は前投薬としてレジメンの中に制吐剤(吐き気止め)を使用しているので、出現リスクは低いです。

イメージとしては、

看護師「抗がん剤流しますよ~。(1時間後)今流して1時間ですけど気分はどうですか?」

患者さん「うっっ。気持ち悪いです・・・」

みたいな感じです。

こんな風に抗がん剤を流している最中に気持ち悪くなる方は、私の経験上でほとんどいませんでした。

遅発性の悪心・嘔吐

これがほとんどです。大体、抗がん剤を流して次の日、遅い人だと3日目ですね。5日ほどで改善していきます。長く続くイメージがありますが、すっと楽になるときが必ずきます。中にはずっと続く人もいますが、そういう方には制吐剤の定期内服で様子を見ます。

予期性の悪心・嘔吐

抗がん剤に対して不安が強い人に出やすく、2回目の化学療法のときに出現することもあります。ですが私の経験上、多くの患者さんは2回目以降になると「慣れ」と1回目の治療経過を踏まえた対応策もあって、予期性の悪心・嘔吐が出るという方は少なかったです。

化学療法による悪心・嘔吐は延髄(脳の一部)による嘔吐中枢を刺激することで起きるので、船酔いや車酔い(耳の神経から刺激が伝わって悪心・嘔吐が発生する)とは全く異なるプロセスです。

吐き気が起こりやすい主な抗がん剤:肺がん、悪性リンパ腫では高頻度で出現

発現頻度により、高度、中等度、程度、最小の4つに分類することができます。

アルファベットはその抗がん剤が使われるレジメン(抗がん剤のコース)の一例です。

<高度 90%以上>

・シスプラチン・・・CDDP+GEM、CDDP+PEM、CDDP+VNR

・ダカルバジン

・エンドキサン(>1500mg/m3)・・・R-CHOP、CHOP、CHASE、CHASER

・アクチノマイシン

★シスプラチンは肺がんの治療によく使用される抗がん剤です。シスプラチンを使用した場合、ほとんどの人が吐き気を訴えられます。

また、エンドキサンは、悪性リンパ腫で使用する抗がん剤のコース(レジメン)によく使用されるので、悪性リンパ腫の治療では吐き気が伴うことが多いです。

<中等度 30~90%>

・カルボプラチン・・・CBDCA+PEM、CBDCA+GEM、CBDCA+DTX

・エンドキサン(<1500mg/m3)・・・R-CHOP、CHOP、CHASE、CHASER

・キロサイド(>1000mg/m3)・・・CHASE、DNR+AraC

・ドキソルビシ

・イリノテカン・・・CTP-11、CDDP+CPT-11

・イホマイド  など

<低度 10~30%>

・5-FU

・・キロサイド(<1000mg/m3)・・・CHASE、DNR+AraC

・メソトレキセート・・・HD-MTX、MTX

・ベプシド・・・CDDP+VP-16、VP-16

・タキソテール・・・CBDCA+DOC(DTX)、DOC

・ハーセプチン

・アリムタ・・・CDDP+PEM、PEM  など

<最小 10%未満>

・ブレオ

・オンコビン・・・R-CHOP、CHOP

・ナベルビン・・・VNR、CDDP+VNR、

・アバスチン

・リツキサン・・・R-CHOP、CHASER

・エグザール  など

種類により、発現頻度は変わりますが、エンドキサン、キロサイドなどのように、使用する量で発現頻度が変わるものもあります。量が多ければそれほど、悪心・嘔吐の出現リスクは高くなるということです。

化学療法で、抗がん剤の種類が1つの単剤使用よりも多剤併用している場合は高リスクで吐き気・嘔吐が出現するので対策が必須です。

悪心(吐き気)・嘔吐の予防と対策・治療

<薬物療法>

・高度の嘔吐リスク(>90%)、中等度嘔吐リスク→化学療法前に5HT3受容体拮抗剤を使用(薬品名で言うとカイトリル、アロキシ、ゾフラン、セロトーン、ナゼア)

・低度嘔吐リスク(10~30%)→デカドロンというステロイド剤※単剤では効果ないので多剤併用

最小嘔吐リスク(10%未満)→化学療法前に制吐剤を必ず投与すべきではないので、患者さんの個別性に合わせる。

<水分補給>

嘔吐を繰り返すと、水分が失われるため水分補給を行う。

外来治療中などで、自宅で過ごしているときは、経口補水液の「OS-1」やスポーツドリンクを飲みましょう。

氷を入れて冷やして飲むと、口当たりも良く感じ、飲みやすいですよ。

<補液>

嘔吐が頻回食事や水分摂取も不十分な場合、電解質バランスが崩れ脱水や腎機能障害を起こす危険性があるので、点滴(持続点滴や点滴バック1袋分など量を決めて)を行う。

 <食事の工夫>

・その患者さんに合わせた食事のとり方や時間を一緒に考え、食べられるときに食べられる量を少しずつとるようにする。

・温かかったり、病院食の蓋を開けた時の臭いがダメな場合もあるので、蓋を開けて冷ましてから食べる。

・自家食(持ち込み食)を家族に用意してもらう。

・食べやすく消化に良いもの(のど越しが良い麺類、濃い味、常温または冷たいアイスやゼリーなど)を摂る。

・刺激物や脂っこいものは避ける。

吐き気が出現した患者さんを看てきた私の体験談・よくある症状

抗がん剤治療(化学療法)で出現する悪心・嘔吐のほとんどは遅発性のもので、抗がん剤投与後2~3日後に出現します。

吐き気の感じとしては、人それぞれですが、私が出会った患者さんが言うことは、

・なんとなーく気持ち悪い

・口の中がねばつく感じですっきりしない

・船酔いが続いている感じ

・ムカムカして食事が喉を通らない

といった症状が多かったです。

ずーっとオエオエ吐いている という患者さんは少なかったですが、なんとなーく気持ち悪い中にも波があって、突然吐いてしまったという人も多くいました。

 

吐き気を我慢する方がよくいらっしゃいますが、絶対に我慢はしないでください!

吐き気止めという薬があるんですから、積極的に使うつもりでいきましょう。

例えば、抗がん剤治療(化学療法)が初めてであった場合、吐き気に関しては、こんなことを観察しています。

・患者さんに吐き気が出たか出なかったか

・その吐き気の程度はどれくらいだったか

・何日続いたか(徐々になのか、突然回復したのか)

などです。

これらのデータは次の抗がん剤治療にとても重要になります。

吐き気が強く出たり、長引いたり、本人の身体的・精神的にも負担だった場合は、次回の治療時に、抗がん剤治療開始から予防的に制吐剤の定期内服を併用していきます。

 

また、食事や飲水が困難になったときは内服も苦痛になるので、注射タイプの制吐剤を使用したりもします。

急に吐き気が出た時やベッドサイドで吐いても大丈夫なように、ガーグルベースンといううがい用の桶も枕元に置いて備えます。

冒頭で、吐き気が出ない人もいると書きましたが、高度~中度であれば、初回の化学療法時に程度の差はあれど、大体の人が出現すると思ってもらった方がいいです。

その要因の一つに、初めての治療という不安や緊張などの精神的側面からくるものも少なからず関与しています。

だから、初めての抗がん剤治療でドキドキするのは当然で不安もあろと思いますが、リラックスすることも大切です。

 

吐き気・嘔吐のまとめ

・悪心(吐き気)とは、嘔吐しそうなムカムカする気分で主観的な感覚だから、感じたら伝えることが大切。

・嘔吐とは、胃の内容物が逆流し食堂を通り口から排出されること。吐いてしまったらナースコールを。

・吐き気の種類は3つで、一般的には抗がん剤治療開始後から数日間に起きる遅発性の吐き気が多い

・吐き気が起こるかどうかは、抗がん剤の種類が大きな要因

・吐き気には、薬・点滴だけじゃなく、水分補給と食べ物の工夫を

・吐き気は我慢せずに、積極的に吐き気止めを使おう。それが次の治療にも役立つ

 

抗がん剤の副作用の中で、第一に挙がる「吐き気」。

私がお伝えしたいことは、吐き気は辛いけど、必ず治るから、少しの間は工夫してやり過ごそう!ということです。

 

我慢は禁物!食べたいものを食べたいときに少しずつ食べる! が基本です!

最初は分からなくても、徐々に自分はこういう風に吐き気が出てくるんだなとか、この食べ物なら食べられた!などと自分のパターンが分かってきます。

抗がん剤治療は一度きりで終わるものではなく、長く付き合っていくことがほとんどです。

生活の側面からも、工夫次第で吐き気の症状を軽くすることができるので、あなたに合った方法を探してみてください^^

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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